朝日新聞の書評を読んで興味を持ったのと、尊敬する数学者の遠山 啓(ひらく)先生のお名前が書評の中に書かれていたからです。
今、小学校では、「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか」という問題に、6×4という式を書くと、バツにされてしまうそうです。
「教師用指導書」には、かけ算の式の正しい順序を教えるようにと書かれているのだそうです。
著者は、本書のすべてのページを使ってこの考え方への反論を展開しています。そして、遠山先生も他の高名な数学者と一緒に「順序派」という名前でくくられています。
しかし、本書の中で、遠山先生は6×4、4×6のどちらでも良いともおっしゃっているとの記述が見られるのが気になります。加えて、私が指導している生徒(小5と中2)のテストでは、答だけが採点の対象になっていることを考えると、この問題に目くじらを立てる必要はないような気がします。